結論:確定申告だけなら年間契約は不要。3社の最安ルートはこれ

会計ソフトを年間契約すると、安くても1万円前後。「確定申告の時しか使わないのに、年間契約はもったいない」——僕も開業2年目にまったく同じことを思った。

正確に言うと、2年目の2月上旬に慌ててfreeeに登録して、無料プランのまま確定申告書を出そうとしたら、最後の出力画面で止められた。「あとはボタンを押すだけ」と思っていたところで課金を求められたときの焦りは、今でもよく覚えている。そこから急いでプラン比較を調べて、結局freeeスターターの月払いで1,480円だけ課金して乗り切った。

この経験から学んだのは、確定申告だけ会計ソフトを使いたいなら、年間契約は不要ということ。3社とも月払いや無料プランがあるので、確定申告の時期だけ使って済ませるルートが存在する。

まず、3社の「確定申告だけ最安で済ませる」場合の比較を見てほしい。

やよいの白色申告オンラインマネーフォワード クラウド確定申告freee会計
最安コスト0円1,280円/月1,480円/月
対応する申告白色のみ白色・青色白色・青色
消費税申告対応非対応(パーソナル以上で対応)非対応(スタンダード以上で対応)
無料プランで申告書出力可能不可(事業所得)不可
サポートなしメール・チャットメール・チャット
年間契約不要○(そもそも無料)○(月払いあり)○(月払いあり)

※料金はすべて税抜。2026年3月時点の情報です。最新の料金は各公式サイトでご確認ください。

この表の読み方をざっくり説明すると、まず最安コストの列を見てほしい。白色申告なら弥生が0円で圧倒的。青色申告の場合は、freeeとMFの月払い1ヶ月がコスト最小になる。ただし、freeeもMFも最安プランは消費税申告に非対応なので、インボイス登録済みの課税事業者は上位プランが必要になり、この「1ヶ月だけ使う」作戦のコストメリットが薄まる点に注意。

白色申告で仕訳が少ないなら、やよいの白色申告オンライン フリープランが0円で最強。青色申告なら、MFパーソナルミニの月払い1,280円が最安になる。

各社の1ヶ月利用手順と注意点

freee:無料プランでは申告書の出力ができない罠

freeeの無料プラン(プラン未契約状態)は、仕訳の入力自体はできる。だから「無料で確定申告までいけるのでは?」と思ってしまう。僕も最初はそう思った。

ところが、確定申告書の出力・印刷・電子申告ができない。作成画面までは進めるのに、最後の最後で止められる。これがfreee無料プランの最大の落とし穴。

最安ルートはこうなる:

  1. freeeアカウントを作成(無料)
  2. 年間を通して仕訳を入力(無料プランでも入力可能)
  3. 確定申告の時期にスタータープランを月払いで契約(1,480円/月・税抜)
  4. 確定申告書を作成・出力・電子申告
  5. 確定申告が完了したらプランを解約
  6. 解約後はプラン未契約状態に戻る(データは保持されるが直近1ヶ月分しか見られなくなる)

解約手順の詳細:freeeの月払いプランは自動更新なので、確定申告が終わったら忘れずに解約手続きをすること。手順は「freeeアカウント管理」にログイン →「事業所管理」→「契約管理」→ 該当の契約をクリック → 三点リーダーから「自動更新を解除する」で完了する。自動更新を解除しても、契約期間の満了日まで有料機能は使えるし、満了後もデータ自体はfreee側で保持される。ただし、解約を忘れると翌月も自動で1,480円が課金されるので、申告が終わった当日に解約手続きをしてしまうのがおすすめ。

また、スタータープランは消費税申告に非対応。課税事業者の場合はスタンダードプラン(月払い2,680円/月・税抜)が必要になる。

freee無料プランの制限についてもっと詳しく知りたい場合は、こちらの記事でまとめている。

freee会計 公式サイト

出典:freee会計 料金プラン(公式)

マネーフォワード:月払い1,280円が青色申告の最安

マネーフォワード クラウド確定申告には1ヶ月の無料トライアルがあるが、事業所得の確定申告書はトライアルでは出力・提出できない。freeeと同じ構造の罠がある。雑所得や控除のみの申告は無料で可能だが、個人事業主として事業所得を申告する場合は有料プラン必須。

最安ルートはこうなる:

  1. MFアカウントを作成
  2. 年間を通して仕訳を入力
  3. 確定申告の時期にパーソナルミニプランを月払いで契約(1,280円/月・税抜)
  4. 確定申告書を作成・出力・電子申告
  5. 確定申告が完了したらプランを解約
  6. 解約後も入力データは引き継がれる

解約手順と重要な注意点:MFの解約は、ログイン後の「サービス」画面から「解約」をクリックするだけで手続きできる。ただし、freeeとは大きく異なる点がある。freeeは「自動更新を解除」しても契約期間の満了日まで使い続けられるが、MFの解約は操作した時点で即時反映される。解約が完了した瞬間に有料プランの機能が使えなくなり、残りの期間があっても返金や日割り精算はない。つまり、確定申告書の出力・電子申告がすべて完了してから解約するのが鉄則。申告作業の途中で解約してしまうと、再度課金が必要になる。なお、解約後も仕訳データ自体は保持されるので、来年また契約すればデータを引き継いで使える。

注意点:無料トライアルは1事業者につき1回のみ。2年目以降は使えないので、最初から月払いで考えた方がいい。パーソナルミニも消費税申告には非対応。課税事業者はパーソナルプラン(月払い1,680円/月・税抜)が必要。

MF無料トライアルの制限はこちらの記事で詳しくまとめている。

マネーフォワード クラウド確定申告 公式サイト

出典:マネーフォワード クラウド確定申告 料金プラン(公式)

弥生:白色申告ならフリープランで永年0円

やよいの白色申告オンラインのフリープランは、機能制限なし・永年無料。有料プランとまったく同じ機能が使える。帳簿付けから確定申告書の作成・電子申告まで、全部0円。

唯一の制限はサポートがないこと。電話・メール・チャット、すべて使えない。ヘルプページや操作マニュアルは閲覧できるので、自力で調べられる人なら問題ない。

手順はシンプル:

  1. やよいの白色申告オンラインでアカウント作成
  2. フリープランを選択
  3. 年間を通して帳簿付け
  4. 確定申告書を作成・電子申告
  5. ずっと0円。解約の必要もなし

freeeやMFのように「解約を忘れて課金された」というリスクがゼロなのは、弥生フリープランの地味に大きなメリット。「確定申告が終わった後に何かする」という心配がないので、精神的にも楽。

注意点:白色申告専用なので、青色申告に切り替えたい場合は「やよいの青色申告オンライン」への移行が必要(最安はセルフプラン 年10,300円・税抜、初年度無料)。また、会計初心者でサポートが不安な場合は、最初だけベーシックプラン(初年度半額)にして、慣れたらフリープランに変更するのも手。

やよいの白色申告オンライン 公式サイト

出典:やよいの白色申告オンライン 料金プラン(公式)

「1ヶ月だけ使う」モデルスケジュール

「1ヶ月で確定申告を終わらせる」と聞くと大変そうに思えるかもしれないが、事前準備さえしておけば十分間に合う。僕が実際にやっているスケジュールはこんな感じ。

時期やること
1月中1年分のレシート・領収書を月別に整理。銀行・クレカの年間明細をCSVダウンロード
2月第1週有料プランを月払いで契約。仕訳データの最終確認・修正。不明な勘定科目を調べて入力完了
2月第2〜3週確定申告書の作成。収支内訳書(白色)or 青色申告決算書の内容確認
2月第4週〜3月第1週e-Taxで電子申告。申告が受理されたことを確認したら、プランを解約

ポイントは、1月中に仕訳入力と書類整理を終わらせておくこと。この準備ができていれば、有料プランの契約期間は実質2〜3週間で済む。逆に、2月に入ってからレシートの整理を始めると、1ヶ月では間に合わないリスクが出てくる。

僕の場合、2年目は準備不足で2月上旬に慌てて契約し、結局3月ギリギリまでかかった。3年目からはこのスケジュールで回しており、2月中に電子申告まで完了するようになった。

「1ヶ月だけ使う」ために確定申告前にやっておくべき準備

1ヶ月だけの課金で確定申告を終わらせるには、事前準備がすべて。課金してから「あれがない、これが足りない」とやっていると、1ヶ月では終わらない。

僕が2年目の確定申告で学んだ、事前にやっておくべき準備はこの3つ。

1. 1年分の領収書・レシートを日付順に整理

ダンボールに突っ込んだままの領収書を、まず月別に分ける。完璧に整理する必要はないけど、最低限「何月の出費か」がわかる状態にしておかないと、仕訳入力で詰まる。

僕は100均のジャバラファイル(12ポケット)を使って月別に放り込んでいる。整理というほどのことはしていないが、「1月のレシートを見たい」というときにすぐ取り出せるだけで、作業効率がかなり変わった。

2. 銀行口座・クレカの年間明細をCSVで用意

3社とも口座連携機能があるが、1ヶ月だけ使う場合は連携設定に時間を取られるより、CSVインポートの方が手っ取り早い場合もある。ネットバンキングから年間の取引明細をCSVでダウンロードしておこう。

特に注意したいのが、ネットバンキングの明細保持期間。銀行によっては過去13ヶ月分しかダウンロードできない場合がある。1月にダウンロードすれば前年1月分から取得できるが、3月に入ると前年の1〜2月分がダウンロードできなくなるケースがある。早めに取得しておくに越したことはない。

3. よく使う勘定科目のリストを事前に作る

「この出費は何費?」と毎回調べていると時間がかかる。自分の事業でよく使う勘定科目(通信費、消耗品費、地代家賃、外注費など)を事前にリスト化しておくと、入力がスムーズになる。

僕の場合はフリーランスWeb制作なので、使う勘定科目は通信費(ネット回線・サーバー代)、消耗品費(ガジェット・備品)、地代家賃(按分した家賃)、外注費(デザイン外注)の4つがメイン。この4つの按分率や計算方法を事前にメモしておくだけで、仕訳入力のスピードが全然違う。

この方法が使えない人(年間契約すべきケース)

「1ヶ月だけ使って確定申告」は万能ではない。以下に当てはまる場合は、年間契約の方が結果的に安くつく。

消費税の課税事業者(インボイス対応が必要)

freeeスターターとMFパーソナルミニは消費税申告に非対応。課税事業者の場合は、freeeスタンダード(月払い2,680円/月・税抜)やMFパーソナル(月払い1,680円/月・税抜)が必要になる。

この価格帯だと、1ヶ月だけの課金でもそれなりのコストになる。例えばfreeeスタンダードの場合、年払いなら月あたり1,980円(年額23,760円)に対して、月払い1ヶ月は2,680円。2ヶ月使うと5,360円で、年払いの4分の1に迫る。消費税申告は仕訳の確認作業が増えるため、1ヶ月で完了させるのも難しくなる。総合的に見て、年払いにした方がトータルでは安い場合が多い。

月の取引件数が50件を超える

取引件数が多いと、1ヶ月では仕訳の入力と確認が終わらない可能性がある。日頃から少しずつ入力しておく運用の方が、確定申告前に慌てずに済む。

ただし、freeeやMFの無料プランでも仕訳入力自体はできるので、「普段は無料プランで入力だけしておく → 確定申告の時だけ課金」という使い方は取引件数が多くても有効。あくまで「1ヶ月の間にゼロから全部やる」のが厳しいという話。

税理士と連携が必要

税理士にデータを共有する場合、会計ソフトのメンバー招待機能を使うことが多い。1ヶ月だけの契約だとタイミングが合わないケースがある。

白色申告でそもそも会計ソフトが必要かどうか迷っている場合は、こちらの記事も参考にしてほしい。

よくある疑問

途中で解約したらデータは消える?

消えない。freee・MFともに、解約後もデータ自体はサーバー側で保持される。来年の確定申告の時にまた月払いで契約すれば、前年までの仕訳データを含めてすべて閲覧・編集できるようになる。弥生のフリープランはそもそも解約の概念がないので、データは常にアクセス可能。

ただし、freeeの場合は無料プランの状態だと直近1ヶ月分の仕訳しか画面上で見られない。データは裏で保持されているので、有料プランを再契約すれば全期間分が見られるようになる。

月払いと年払い、どっちが得?

確定申告の時しか使わないなら、月払い1ヶ月の方が圧倒的に安い。例えばfreeeスターターの場合、年払いは11,760円(税抜)に対して、月払い1ヶ月は1,480円。約8倍の差がある。年払いが得になるのは、8ヶ月以上継続的に使う場合。「毎月コツコツ帳簿をつけたい」「リアルタイムで収支を確認したい」という人は年払いの方が合っている。

去年の仕訳データがない状態から1ヶ月で間に合う?

仕訳件数による。月の取引が10件以下なら、年間で120件程度。1日20件入力すれば1週間で終わるので、1ヶ月あれば十分間に合う。ただし、レシートや明細の整理が終わっていることが前提。「段ボールに1年分のレシートが入っている」状態からスタートすると、1ヶ月ではきつい。前のセクションの「事前準備」を1月中に終わらせておくのが鍵になる。

まとめ:自分の状況に合った最安ルートを選ぼう

もう一度整理すると、こうなる。

  • 白色申告で仕訳が少ない → やよいの白色申告オンライン フリープラン(0円)
  • 青色申告で免税事業者 → MFパーソナルミニ 1ヶ月(1,280円)or freeeスターター 1ヶ月(1,480円)
  • 課税事業者(消費税申告が必要) → MFパーソナル(1,680円/月)or freeeスタンダード(2,680円/月)→ この場合は年間契約の方が割安

僕の場合は、青色申告の免税事業者なので、freeeスターターを1ヶ月だけ契約して確定申告を終わらせている。年間契約だと11,760円(税抜)かかるところが、1,480円で済む。この差は大きい。

事前準備をしっかりやっておけば、1ヶ月の課金期間で確定申告は十分に終わる。「年間契約しないと不安」と感じるかもしれないが、仕訳入力自体は無料プランでもできるので、実際に課金が必要なのは申告書を出力する時だけ。このことを知っているだけで、会計ソフトとの付き合い方がだいぶ変わると思う。

この記事の情報について

この記事は、筆者(中村恒一)が個人事業主として会計ソフトを利用・比較した体験をもとに書いています。税務アドバイスを目的としたものではありません。税制度や控除に関する判断は、必ず税理士や税務署にご確認ください。

記事内の料金・機能情報は2026年3月時点のものです。最新の情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。

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