MF無料トライアルの最大の罠:事業所得の確定申告書が出せない

マネーフォワード クラウド確定申告には1ヶ月の無料トライアルがある。「無料で確定申告までできるのでは?」と思って登録する人も多いだろう。僕もそう思っていた時期がある。

結論から言うと、個人事業主が事業所得で確定申告する場合、無料トライアルでは確定申告書の出力・提出ができない。これがMF無料トライアルの最大の落とし穴。

具体的に言うと、トライアル中に利用できないのは以下の機能。

  • 事業所得・不動産所得の確定申告書のプレビュー表示
  • 事業所得・不動産所得の確定申告書のPDF出力・XTXファイル出力
  • 事業所得・不動産所得の確定申告書の提出(電子申告)

つまり、仕訳の入力や帳簿付けはトライアル中にできるのに、最後の「申告書を出す」ところで止められる。freeeの無料プランとまったく同じ構造の罠。

ただし、雑所得や控除のみの申告(副業で雑所得として申告するケースなど)はトライアルでも可能。「事業所得」の申告だけが制限されている。

出典:マネーフォワード クラウド 無料トライアル制限(公式サポート)

無料トライアルで使える機能一覧

トライアル中はパーソナルプラン相当の機能が使える。制限されているのは上記の確定申告書まわりだけで、それ以外は有料プランとほぼ同じ。

トライアルでできること

  • 仕訳の入力(取引の登録)
  • 銀行口座・クレジットカードの連携
  • レポート(収支レポート、損益レポートなど)の閲覧
  • 雑所得・控除のみの確定申告書の作成・提出
  • データのCSVエクスポート

トライアルでできないこと

  • 事業所得の確定申告書の出力・電子申告(最大の制限)
  • AI-OCRによるレシート読み取り(制限あり)

仕訳入力ができるのは大きい。つまり、トライアル中に1年分の仕訳をすべて入力しておいて、有料プランに切り替えた瞬間に確定申告書を出力する——という使い方は可能。ここが後で効いてくる。

freee無料プランとの違い

freeeにも無料プラン(プラン未契約)がある。MFのトライアルとfreeeの無料プラン、どちらも「確定申告書が出力できない」という点では同じだが、いくつか重要な違いがある。

MF 無料トライアルfreee 無料プラン
期間1ヶ月間のみ期間無制限
利用回数1事業者1回のみ制限なし
仕訳入力可能可能
帳簿データの閲覧全期間直近1ヶ月分のみ
CSVエクスポート可能制限あり
事業所得の申告書出力不可不可
トライアル終了後の自動課金されないされない
データの引き継ぎ引き継がれる保持される

MFの方が有利なのは「帳簿データが全期間閲覧できる」点と「CSVエクスポートができる」点。freeeの無料プランは直近1ヶ月分しか画面上で見られないので、半年前の仕訳を確認したい時に不便。

一方、MFの不利な点は「1ヶ月間・1事業者1回のみ」という制限。freeeの無料プランは期間無制限で、いつでも無料のまま仕訳入力を続けられる。MFは1ヶ月のトライアルが終わると、次は有料プランに申し込むしかない。

freee無料プランの制限については、こちらの記事で詳しくまとめている。

トライアル終了後はどうなる?

MFのトライアルは1ヶ月で自動終了する。自動課金されないので、「いつの間にか課金されていた」という心配はない。この点はfreeeと同じで安心。

トライアル終了後は「プラン未契約」の状態になる。プラン未契約でも仕訳の登録は可能だが、登録できる件数に制限がかかる。事業所得の確定申告書は引き続き出力できない。

ただし、トライアル中に入力したデータはすべて保持される。有料プランを契約すれば、過去に入力した仕訳データがそのまま使える。データが消えることはない。

MFを最安で使う方法

MFで確定申告を最安で済ませるルートは、freeeと基本的に同じ考え方。

  1. MFアカウントを作成(無料トライアル開始)
  2. トライアル中に操作感を確認。仕訳入力を始める
  3. トライアル終了後も、プラン未契約のまま仕訳入力を続ける
  4. 確定申告の時期にパーソナルミニプランを月払いで契約(1,280円/月・税抜)
  5. 確定申告書を出力・電子申告
  6. 完了したらプランを解約

年間のMF費用は1,280円だけ。freeeスターターの月払い1,480円より200円安い。

解約時の重要な注意点:MFはfreeeと違う

ここは本当に注意してほしいポイント。MFの解約はfreeeとは大きく異なる

freeeは「自動更新を解除」しても契約期間の満了日まで有料機能を使い続けられる。だから、確定申告が終わったらすぐに自動更新を解除しても問題ない。

一方、MFの解約は操作した時点で即時反映される。解約した瞬間に有料機能が使えなくなり、残りの契約期間があっても返金や日割り精算はない。

つまり、確定申告書の出力・電子申告がすべて完了してから解約するのが鉄則。申告途中で解約してしまうと、再度課金が必要になる。「freeeと同じ感覚で先に解約しておこう」とやると痛い目に遭う。

出典:マネーフォワード クラウド Web契約の解約方法(公式サポート)

どのプランを選ぶべき?

免税事業者 → パーソナルミニ(月払い1,280円)

消費税申告が不要な個人事業主は、最安のパーソナルミニで十分。帳簿付け、確定申告書の作成、e-Taxでの電子申告、口座連携——確定申告に必要な基本機能はすべて使える。

レシート添付は月15件まで。freeeスターターの月5枚よりは多いが、大量にレシート撮影する場合は上限を超える可能性がある。超えた場合は1件20円の追加料金(パーソナルプラン以上)。

課税事業者 → パーソナル(月払い1,680円)

パーソナルミニは消費税申告に非対応。課税事業者やインボイス登録済みの人はパーソナルプランが必要。月払い1,680円なので、freeeスタンダード(月払い2,680円)より1,000円安い。消費税申告が必要な場合、MFの方がコスト面では有利。

「そもそもfreeeとMFどっちがいい?」という人へ

この記事はMFの無料トライアルの制限に特化しているので、3社の比較は別の記事に譲る。ただ、「確定申告だけ最安で済ませたい」というゴールで比較するなら、こちらの記事で3社の最安ルートを並べて比較している。

マネーフォワード クラウド確定申告 公式サイト

出典:マネーフォワード クラウド確定申告 料金プラン(公式)

よくある疑問

トライアル終了後に自動課金される?

されない。トライアルが終わると自動的にプラン未契約の状態に移行する。クレジットカード情報を登録していても、自分で有料プランを申し込まない限り課金は発生しない。

トライアルで入力したデータは有料プランに引き継がれる?

引き継がれる。トライアル中に入力した仕訳データや口座連携の設定は、有料プランを契約すればそのまま使える。「トライアルで試してみて、よかったら有料に切り替え」という使い方がスムーズにできる。

トライアルは2回目以降も使える?

使えない。無料トライアルは1事業者につき1回のみ。2年目以降の確定申告では、最初から有料プランを月払いで契約する必要がある。「毎年トライアルで無料で済ませよう」はできない。

MFとfreee、無料で始めるならどっち?

どちらも事業所得の確定申告書は無料では出力できないので、最終的には課金が必要。無料の段階での使い勝手を比べるなら、freeeの方が「期間無制限で仕訳入力を続けられる」点で有利。MFのトライアルは1ヶ月で終わってしまう。

ただし、白色申告で仕訳が少ないなら、freeeでもMFでもなく、やよいの白色申告オンライン フリープラン(永年無料・機能制限なし)が最もコスパが良い。

白色申告で会計ソフトが必要かどうかの判断については、こちらの記事を参考にしてほしい。

やよいの白色申告オンライン 公式サイト

まとめ:MF無料トライアルは「お試し用」と割り切る

マネーフォワードの無料トライアルは、「操作感を試す1ヶ月」と割り切るのが正解。確定申告まで無料で完走できるとは期待しない方がいい。

最安で使うなら、確定申告の時期にパーソナルミニを月払いで1ヶ月だけ契約(1,280円)。解約は申告完了後に行うこと(即時反映なので注意)。

  • 免税事業者 → パーソナルミニ 月払い1,280円で十分
  • 課税事業者 → パーソナル 月払い1,680円
  • 白色申告で仕訳少ない → そもそもMFよりも弥生フリープラン(0円)の方が合っている

この記事の情報について

この記事は、筆者(中村恒一)が個人事業主として会計ソフトを利用・比較した体験をもとに書いています。税務アドバイスを目的としたものではありません。税制度や控除に関する判断は、必ず税理士や税務署にご確認ください。

記事内の料金・機能情報は2026年3月時点のものです。最新の情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。

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